研究助成

2023年度 ビジョナリーリサーチ助成(スタート)

造血幹細胞老化による心血管疾患発症機序の解明

研究題目 造血幹細胞老化による心血管疾患発症機序の解明
年度/助成プログラム 2023年度 ビジョナリーリサーチ助成(スタート)
所属 自治医科大学 分子病態治療研究センター・循環器内科
氏名 松村 貴由
キーワード 造血幹細胞 / ミトコンドリア
研究結果概要 多くの臓器で組織マクロファージは胎生期由来である一方、心臓では末梢血単球を介した骨髄由来マクロファージが加齢により減少したマクロファージを補完し、数的恒常性を維持する。マクロファージの異常が動脈硬化を促進することは既知であり、心血管疾患においては組織マクロファージの供給元である骨髄細胞の質的変化が直接的に重要である。本研究では、骨髄の老化が、どのように骨髄細胞の機能を変化させ心血管疾患に影響を与えるかを解析することで、治療的介入に資する共通経路や標的分子を同定し、心血管疾患保護薬の開発につなげることを目的とした。老化造血幹細胞のミトコンドリア量に注目した解析により、老化造血幹細胞集団の中で比較的その機能が維持されている細胞集団を選別する表面マーカーとして複数の因子を同定した。その一部は循環器疾患との関連がすでに報告されており、この経路を活性化あるいは抑制する物質は既に同定されている。今後、これらの薬剤が心血管疾患に保護的に働きうるかについて解析を進めていきたい。なお、上記の成果の一部は、Nature Aging 2025(5): 831–847として発表した。
公表論文 Totani H#, Matsumura T# (corresponding author, #equally contributed), Yokomori R, Umemoto T, Takihara Y, Yang C, Chua LH, Watanabe A, Sanda T, Suda T. Mitochondria-enriched hematopoietic stem cells exhibit elevated self-renewal capabilities, thriving within the context of aged bone marrow. Nat Aging. 2025 5(5):831-847. doi: 10.1038/s43587-025-00828-y. Epub 2025 Mar 6. PMID: 40050412