研究助成

2023年度 高等学校理科教育振興助成

有珠山噴火後における生態系の回復と移り変わり 1910年および2000年噴火の四十三山、西山の動物相、植物相、菌類相の比較を通して

研究題目 有珠山噴火後における生態系の回復と移り変わり 1910年および2000年噴火の四十三山、西山の動物相、植物相、菌類相の比較を通して
年度/助成プログラム 2023年度 高等学校理科教育振興助成
所属 北海道伊達緑丘高等学校
氏名 宮川 萌
キーワード 有珠山 / 生態系 / 遷移 / 相互作用 / 多様性
研究結果概要 1910年に噴火した有珠山四十三山と、そこからおよそ3km離れた2000年噴火の有珠山西山それぞれにおいて、生態系の調査を実施した。実施方法はそれぞれの噴火跡地に3台ずつトレイルカメラを設置して発見される動物の種と個体数を測定し、またカメラ付近に10×10mのコドラートを設定し、その中で植物相と菌類相を調査した。その結果、現在も観測中だが、2023年7月28日から2024年7月31日までの期間において、西山ではエゾシカ、エゾタヌキ、キタキツネの3種、計725個体が観察された。四十三山ではそれに加えエゾリス、エゾユキウサギ、アライグマを加えた6種、計266個体が発見された。最多の発見個体はエゾシカでそれぞれ707、243個体であった。またShannon-Weaver多様度指数はそれぞれ0.125、0.426となり、四十三山の方が動物相の多様度が高くなった。植物相においては草本類で西山6科19種、四十三山13科25種、木本類ではそれぞれ6科9種、14科20種とどちらも四十三山の方が高い値を示し、生態系構築の年数と種多様性が正の相関を示していた。森林の階層構造も四十三山の方が発達していた。
公表論文