研究助成

2023年度 高等学校理科教育振興助成

霊長類ヒト科動物の系統樹を描く生徒実習教材の開発とその効果─3Dプリンターで作製した頭骨のミニレプリカ標本を用いた観察・計測・分析─

研究題目 霊長類ヒト科動物の系統樹を描く生徒実習教材の開発とその効果─3Dプリンターで作製した頭骨のミニレプリカ標本を用いた観察・計測・分析─
年度/助成プログラム 2023年度 高等学校理科教育振興助成
所属 東洋大学附属牛久高等学校
氏名 片岡 佑輔
キーワード 進化概念 / 系統樹 / 3Dプリンター / レプリカ標本 / 哲学的探究
研究結果概要 本研究では、霊長類ヒト科動物の系統関係を理解する生徒実習教材として、3Dプリンターで作製した頭骨ミニレプリカ標本を用いた2時間の授業を開発・実践した。第1時では、ゴリラ、ホモ・ネアンデルターレンシス、ホモ・サピエンスなど7種類の頭骨を観察し、脳頭蓋の大きさ、犬歯、矢状隆起などの特徴を比較した。第2時では、独自に開発した、P:哲学的探究、S:科学的整理、C:事例を通した考察からなるPSCモデルを用いた。Pでは「進化はいつもより良くなる方向に進むのか」や「古い生物は新しい生物のもとなのか」という問いについて、「良くなる」や「もと」という言葉の意味を考えさせた。Sでは、進化は単なる進歩ではなく、生物集団の遺伝的性質の変化であることや、生物は一直線ではなく共通祖先から枝分かれしてきたことを整理した。Cでは、頭骨の特徴や系統樹をもとに、脳の大きさだけでは系統関係を判断できないこと、チンパンジーがやがてヒトになるわけではないことを考察した。事前・事後調査の結果、これらの誤概念は有意に低下し、問いの言葉の意味を考える姿勢も有意に向上した。特に、系統関係を複数の特徴から考える必要性への理解も高まった。
公表論文