研究助成

2023年度 高等学校理科教育振興助成

海水生魚食魚であるスズキに右利き・左利きは存在するのか!?

研究題目 海水生魚食魚であるスズキに右利き・左利きは存在するのか!?
年度/助成プログラム 2023年度 高等学校理科教育振興助成
所属 姫路市立飾磨高等学校
氏名 小黒 環
キーワード 捕食生態 / 行動生態 / 左右性 / 魚類 / 進化
研究結果概要 スズキは日本の沿岸域に生息する魚食魚である。近年,魚類において形態や行動の左右差が報告されているが,スズキでは未解明である。野外でスズキ115個体を採集した結果,100個体で下顎の左右いずれかへのずれが確認された。全長60cm以上で左ずれが顕著であり,小型個体では有意差はみられなかった。次に,水槽内での捕食行動を解析した。全長40〜70cmの個体では,下顎のずれ方向へ反転する回数が有意に多く、その際の捕食成功率も有意に高かった。一方,全長17〜21cmの若魚では反転方向および捕食成功率に左右差は認められなかった。全長35cmと39cmの個体では,反転回数に左右差はなかったが,下顎のずれ方向に反転した際の捕食成功率は高い傾向を示した。全長と下顎のずれ方向への捕食成功率には強い正の相関(r=0.842)が認められ,成長に伴い利きが強化されることが示唆された。さらに解剖により形態的要因を検討したところ,捕食に関与する骨に非対称性が確認された。以上より,スズキは全長約20cmで左右性を,約40cmで機能的な利きを段階的に獲得し,餌生物の変化に適応して捕食成功率を高めている可能性が示唆された。
公表論文