研究助成
2023年度 ライフサイエンス研究継続助成
肝臓グルコース応答の新規制御機構とその役割の解明
| 研究題目 | 肝臓グルコース応答の新規制御機構とその役割の解明 |
|---|---|
| 年度/助成プログラム | 2023年度 ライフサイエンス研究継続助成 |
| 所属 | 金沢大学 新学術創成研究機構 革新的統合バイオ研究コア 栄養・代謝研究ユニット |
| 氏名 | 稲葉 有香 |
| キーワード | 肝グルコース応答 / 臓器連関 / 迷走神経 / インスリン分泌 |
| 研究結果概要 | 肥満では、肝臓における糖取込み障害や代謝異常が生じ、全身の糖代謝恒常性破綻へと進展する。我々はこれまでに、肝グルコース応答制御分子GKRPのアセチル化が、肝糖脂質代謝に関与することを明らかにしてきた。本研究では、肥満に伴う個体糖代謝恒常性破綻の解明を目的として、臓器連関を介したインスリン分泌制御機構の解析を行った。その結果、迷走神経が、従来知られていたアセチルコリンを介したインスリン分泌促進作用に加え、一酸化窒素(NO)を介したインスリン分泌抑制作用を有することを見出した。さらに、肥満では、このNO依存的抑制作用が増強され、迷走神経性インスリン分泌が障害されることを明らかにした。DREADD技術を用いた迷走神経活性化マウス、および迷走神経特異的神経型NO合成酵素(nNOS)欠損マウスを用いた解析により、肥満時の迷走神経性インスリン分泌障害に、nNOSを介したNOシグナルが重要な役割を果たすことを示した。 本研究成果は、肥満に伴う代謝異常が、神経系を介した個体糖代謝制御異常へと波及する可能性を示すものであり、肥満・2型糖尿病における新たな病態理解につながる知見である。 |
| 公表論文 | Vagal activation inhibits insulin release through neuronal nitric oxide synthase in obese male mice, Science Signaling, Hashiuchi E, Inaba Y, Sugimoto H, Kimura K, Watanabe H, Kajino M, Asahara S, Kobayashi M, Kikuchi O, Hayashi Y, Horike S, Daikoku T, Mieda M, Sakurai T, Sakai M, Matsumoto M, Kitamura T, Sato M, Ravnskjaer K, Kasuga M, Tanida M, Kuroda S, Inoue H., 2026, in press |
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