研究助成

2024年度 高等学校理科教育振興助成

地域の地質から防災を考える~馬門石(まかどいし)と島原大変肥後迷惑~

研究題目 地域の地質から防災を考える~馬門石(まかどいし)と島原大変肥後迷惑~
年度/助成プログラム 2024年度 高等学校理科教育振興助成
所属 熊本県立宇土高等学校
氏名 本多 栄喜
キーワード 馬門石 / ヘマタイト / 島原大変肥後迷惑 / 津波 / 防災
研究結果概要  本研究では、地域に関わる地質・歴史・防災をテーマとして、科学部地学班の生徒とともに「馬門石」および「島原大変肥後迷惑」に関する研究を行った。
 まず「馬門石」については、文献調査・実験、成分分析、現地調査、薄片観察を行い、赤色の成因解明を目的として研究を進めた。分析の結果、赤色は鉄の酸化物であるヘマタイト(Fe₂O₃)によるものであり、多孔質な阿蘇火砕流堆積物の一部が、堆積直後の高温環境下で十分な酸素を取り込み高温酸化を受けたことが原因であると結論づけた。したがって、黒色のAso-4との違いは、酸素供給量の差に起因することが明らかとなった。
 次に、「島原大変肥後迷惑」については、震災遺構周辺の住民への聞き取り調査を行い、災害に対する地域の認知度が低いことを確認した。この課題を踏まえ、災害の伝承を目的としたデジタルマップを作成し、有明海沿岸における被害状況の把握を容易にした。また、文献調査により、入り組んだ海岸地形では津波高が増大する傾向を確認し、海岸模型を用いた実験により、地形の違いが津波高に影響することを科学的に検証した。以上、地域の地質理解と防災意識向上に資する知見を得た。
公表論文