研究助成

2022年度 医学系研究助成(臨床)

ミネラルコルチコイド受容体(MR)活性化による糖尿病性腎症進展機序の解明とMR活性化を反映する尿中バイオマーカーの開発

研究題目 ミネラルコルチコイド受容体(MR)活性化による糖尿病性腎症進展機序の解明とMR活性化を反映する尿中バイオマーカーの開発
年度/助成プログラム 2022年度 医学系研究助成(臨床)
所属 大分大学 医学部 内分泌代謝・膠原病・腎臓内科学講座
氏名 福田 顕弘
キーワード MR活性化 / 尿中バイオマーカー / 糖尿病性腎症 / 慢性腎臓病
研究結果概要 我々は、生活習慣病に合併した高血圧や慢性腎臓病では血中アルドステロン濃度の上昇を伴わずにMRシグナルが亢進する「MR関連高血圧および臓器障害」という病態が存在することを提唱した。しかし臨床的にMR活性化を反映するバイオマーカーがなく、MR活性化を反映した尿中バイオマーカーを探索することを目的とした。16週齢の肥満糖尿病性腎症ラット群では、Controlラット群と比較してポドサイト傷害とそれに続く腎症進展を認めた。さらに、腎組織においてMR、SgK1、ENaCなどMR関連蛋白上昇およびmRNAシグナルの上昇傾向を認め、腎症進展に伴いMR活性化が認められることを明らかにした。同モデルに高塩分を投与したMR過剰活性化モデルも追加し尿中バイオマーカーの評価を行った。コントロール群と比較して肥満糖尿病性腎症ラットモデルでは尿沈渣中MR、SgK1、ENaC mRNAなどMR関連mRNA排泄量が上昇し、食塩過剰摂取肥満糖尿病性腎症ラットモデルにおいてより顕著であった。以上より、MR活性化の評価に尿沈渣中MR関連mRNA排泄量が有用である可能性が示唆された。
公表論文