研究助成
2022年度 医学系研究助成（感染領域）
単純ヘルペスウイルスの「小胞媒介性核外輸送」と 核ラミナの関係に対する詳細な解析
| 研究題目 | 単純ヘルペスウイルスの「小胞媒介性核外輸送」と 核ラミナの関係に対する詳細な解析 |
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| 年度/助成プログラム | 2022年度 医学系研究助成（感染領域） |
| 所属 | 東京大学医科学研究所 ウイルス病態制御分野 |
| 氏名 | 竹島 功高 |
| キーワード | 単純ヘルペスウイルス / 核ラミナ |
| 研究結果概要 | 申請者はHeLa細胞のラミンA/CおよびLBR二重KOによりウイルス遺伝子発現や複製が著しく抑制される一方、A型ラミン単独KOでは核外移行が促進されることから、両者が感染進行に冗長かつ特異的に寄与することを示した。また、gB蛋白のAsn-141部位のN-グリカンが抗体中和とADCC回避を助け、マウス眼および中枢神経系での増殖を促進して病原性を増強する二重機能をもつこと、HSVタンパク質ICP22と転写補助因子FACTの相互作用がUL54などの遺伝子転写を効率化し、マウス感染で病原性を高め、FACT阻害剤によって病態が軽減可能であること、HSVタンパク質Us11-Venus融合レポーターウイルスを用い、Lタンパク質発現量に閾値が存在し、一定以上でなければ子孫ウイルス産生が始まらず、単細胞集団内の感染不均一性が産生効率を規定すること、を解明するための支援を行った。これらの知見はHSV-1の感染戦略理解に重要な示唆を与える。以上により、HSV-1の核構造制御、免疫回避機構、転写制御、および産生動態が多面的に解明された。 |
| 公表論文 |
1. Redundant and Specific Roles of A-Type Lamins and Lamin B Receptor in Herpes Simplex Virus 1 Infection、誌名: Journal of Virology、掲載情報: 2022年12月、Volume 96, Issue 24, e01429-22 (オンライン公開: 2022年11月30日) 2. Dual impacts of a glycan shield on the envelope glycoprotein B of HSV-1: evasion from human antibodies in vivo and neurovirulence、 誌名: mBio、掲載情報: 2023年7–8月合併号、Volume 14, Issue 4, e00992-23 (オンライン公開: 2023年6月27日) 3. Impact of the interaction between herpes simplex virus 1 ICP22 and FACT on viral gene expression and pathogenesis、誌名: Journal of Virology、掲載情報: 2024年8月、Volume 98, Issue 8, e00737-24 (オンライン公開: 2024年7月17日) 4. Direct relationship between protein expression and progeny yield of herpes simplex virus 1、誌名: mBio、掲載情報: 2025年5月5日、Volume 16, Issue 5, e00280-25 (オンライン公開: 2025年5月5日) |