研究助成
2022年度 医学系研究助成(がん領域(臨床))
腹膜偽粘液腫の治療標的遺伝子の同定
研究題目 | 腹膜偽粘液腫の治療標的遺伝子の同定 |
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年度/助成プログラム | 2022年度 医学系研究助成(がん領域(臨床)) |
所属 | 東京大学医科学研究所 臨床ゲノム腫瘍学分野 |
氏名 | 高根 希世子 |
キーワード | 腹膜偽粘液腫 / DNAメチル化 / GPX7 |
研究結果概要 | 腹膜偽粘液腫(Pseudomyxoma peritonei:PMP) は粘液性腹水を特徴とする希少な悪性腫瘍であり、その多くは虫垂から発生する。PMPの腫瘍形成にはKRASおよびGNASの変異が関与していることが示されているが、エピジェネティックに制御された遺伝子の寄与については明らかではない。PMPの進展に関わる遺伝子を特定するため、我々はゲノム全体のDNAメチル化およびRNA-seqデータを統合し、PMPでプロモーターの高メチル化によりダウンレギュレートされた6つの遺伝子を明らかにした。その中で、GPX7は正常な大腸粘膜および大腸癌と比較して、PMP組織で有意に抑制されていた。患者由来のPMPオルガノイドをDNMT阻害剤である5-Azaで処理した結果、GPX7の発現が回復し、エピジェネティックなサイレンシングが示唆された。さらに、GPX7を大腸癌細胞に過剰発現させると、PKA基質のリン酸化とMUC2の発現が減少した。これらの結果は、GPX7の発現低下がPKA経路の活性化を通じてムチンの産生を促進し、PMPにおけるムチン過剰産生を抑制するための治療標的としての可能性を示唆している。 |
公表論文 | Genome-wide analysis of DNA methylation in pseudomyxoma peritonei originated from appendiceal neoplasms. Oncology. 2024 Jan 23. doi: 10.1159/000536219. |
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