研究助成

2022年度 医学系研究助成(基礎)

インテグリン−オートファジー経路のクロストークによる新規免疫細胞間接着制御機構の解明

研究題目 インテグリン−オートファジー経路のクロストークによる新規免疫細胞間接着制御機構の解明
年度/助成プログラム 2022年度 医学系研究助成(基礎)
所属 関西医科大学 附属生命医学研究所 分子遺伝学部門
氏名 近藤 直幸
キーワード インテグリン / LC3 / LFA1 / CASM / リンパ球
研究結果概要 白血球特異的インテグリンLFA1の活性化は細胞間接着を促進し、免疫恒常性の維持を担う。近年我々は、LFA1活性化に必須な双方向シグナル伝達経路、inside-out/ outside-in経路の内、outside-in経路がLFA1の接着面への蓄積に重要であることを解明した(2021, Sci. Signal.)が、outside-in経路の制御機構は不明であった。本研究では、この解明を目的としリンパ球を用いて実験を進めた。まず、LFA1可視化細胞を作製し、超解像顕微鏡を用いて双方向シグナルの影響を調べたところ、outside-in 特異的にLFA1が細胞内でクラスター化することを見出した(2024, PNAS Nexus)。さらに、クラスターに局在する因子群の探索の結果、オートファジーの制御に重要であるLC3とLFA1が共局在することを見出した。LC3欠損は、LFA1のクラスター化、LFA1の接着面蓄積、LFA1依存的接着を低下させたことから、LC3はLFA1をoutside-in経路依存的に制御する新規の因子であることが解明された(2025, Nat. Commun.)。
公表論文 1. Low-affinity LFA1-dependent outside-in signaling mediates avidity modulation via the Rabin8–Rab8 axis、PNAS Nexus、Volume 3, Issue 8, pgae332, 2024

2. The autophagy component LC3 regulates lymphocyte adhesion via LFA1 transport in response to outside-in signaling、Nature Communications、16, 1343, 2025