研究助成
2022年度 薬学系研究助成
強力な炎症収束作用を有するレゾルビン類の芳香族置換型安定等価体の創出～安定化における一般的方法論の確立を目指して～
| 研究題目 | 強力な炎症収束作用を有するレゾルビン類の芳香族置換型安定等価体の創出～安定化における一般的方法論の確立を目指して～ |
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| 年度/助成プログラム | 2022年度 薬学系研究助成 |
| 所属 | 北海道大学 大学院薬学研究院 創薬有機化学研究室 |
| 氏名 | 藤原 広一 |
| キーワード | 多価不飽和脂肪酸 / 脂質メディエーター / 抗炎症活性 / Z選択的オレフィン化 |
| 研究結果概要 | ＊2023年度より渡邉 瑞貴へ代表者変更 内因性脂質メディエーターであるレゾルビンE類（RvEs）は、極めて強力な炎症収束作用を示す。一方で、ポリエン構造に起因する化学的・生物学的不安定性により、その有効活用は極めて限定的である。本研究では、RvEsのポリエン構造を芳香族環で置換した安定等価体を創出し、RvEsの作用機序解明や創薬リード開発を目指した。まず、計算化学に基づいて、天然型RvE3の三次元構造の模倣を鍵とするインドール置換型RvE3安定等価体を設計し、その合成経路の確立に取り組んだ。その過程で、Z選択的Julia–Kocienski（JK）オレフィン化反応を新たに開発した。本手法では、一般的にE選択的となるJK反応において、N-スルホニルイミンを求電子剤に用いることで、高いZ選択性（E:Z =1:>99）を達成した。開発した本反応も活用することで、設計したRvEs安定等価体の効率的合成が可能となった。現在は、合成したインドール置換型RvE3誘導体について、抗炎症活性評価および代謝安定性試験を進行中である。 |
| 公表論文 | Highly Z-Selective Julia–Kocienski Olefination Using N-Sulfonylimines and Its Mechanistic Insights from DFT Calculations, Organic Letters, 2025, 27, 2677–2681. |