研究助成

2022年度 薬学系研究助成

ストレスによる睡眠障害の発症機序の解明

研究題目 ストレスによる睡眠障害の発症機序の解明
年度/助成プログラム 2022年度 薬学系研究助成
所属 大阪大学 薬学研究科 神経薬理学分野
氏名 笠井 淳司
キーワード ストレス / 前障
研究結果概要 ストレスにより活性化する前障神経細胞の分子マーカーとして同定したCar12の下流にiCreを発現するノックインマウスを作出し、その投射パターンも明らかにした。具体的には、作出したCar12-iCre-KIマウスにCre依存的に膜移行型mScarletを発現させるアデノ随伴ウイルスベクターを前障に感染させ、どの領域に神経投射を行っているのかを全脳イメージング装置FASTを用いて解析した。その結果、前帯状皮質(ACC)、脳梁膨大後部皮質(RSP)に強く投射することを見出した。特にACCやRSPは、様々な情報を統合して、視床下部への神経投射する領域として知られているため、CLACar12+ニューロンから負の情報が増えると睡眠を障害する可能性が考えられる。さらに人工的な活動操作により睡眠のステージがどのように変化するのかを明らかにしている。
公表論文 (R)-ketamine restores anterior insular cortex activity and cognitive deficits in social isolation-reared mice. Mol Psychiatry, 29:1406-1416 (2024)
Socially activated neurons in the anterior cingulate cortex are essential for social behavior in mice. Biochem Biophys Res Commun, 726:150251 (2024)