研究助成
2022年度 ライフサイエンス研究継続助成
制御性T細胞分化をプログラムする脂質代謝地図の解読
研究題目 | 制御性T細胞分化をプログラムする脂質代謝地図の解読 |
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年度/助成プログラム | 2022年度 ライフサイエンス研究継続助成 |
所属 | 公益財団法人かずさDNA研究所 先端研究開発部 オミックス医科学研究室 |
氏名 | 遠藤 裕介 |
キーワード | 制御性T細胞 / 脂質代謝 / マルチオミクス |
研究結果概要 | T細胞サブセットにおける細胞内脂質代謝経路を調査するため、次世代シークエンサーおよび精密質量分析計による高深度マルチオミクス解析を実施した。具体的には、静止期にあるNaive CD4 T細胞をTCR受容体の活性化や様々な組み合わせのサイトカイン刺激により、T細胞サブセットの分化誘導を行い、下記の結果を取得し、Th17や制御性T細胞特異的なスフィンゴ脂質代謝経路の重要性を見出すことができた。 ・CD4T細胞は活性化により、大半の脂質代謝物の合成が大きく活性化した。 ・CD4T細胞サブセットの中でも、自己免疫疾患の形成に関与するTh17細胞や制御性T細胞ではスフィンゴ脂質代謝が亢進した。 ・スフィンゴ脂質代謝経路の合成酵素の阻害剤や遺伝子欠損により、Th17細胞や制御性T細胞の形成が阻害された。 本研究の結果から、スフィンゴ脂質代謝経路を標的とすることで、細胞サブセットの中でも、Th17細胞や制御性T細胞を選択的に阻害することができると考えられる。T細胞サブセットを選択的に阻害することにより、将来的には、より副作用の少ないT細胞を標的とした医薬品の開発に繋がることが期待される。 |
公表論文 |
1)Fatty acid metabolism constrains Th9 cell differentiation and anti-tumor immunity via modulation of retinoic acid receptor signaling. Cellular and molecular immunology (2024) (11):1266-1281 2) The integration of metabolic and proteomic data uncovers an augmentation of the sphingolipid biosynthesis pathway during T-cell differentiation. Communications biology (2024) 7(1):622 3) 1-Oleoyl-lysophosphatidylethanolamine stimulates RORt activity in Th17 cells. Sci. Immunol. 8 (86):eadd4346. (2023) |
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