研究助成
2023年度 医学系研究助成(感染領域)
肺非結核性抗酸菌症の末梢気道を中心した分子基盤解明
| 研究題目 | 肺非結核性抗酸菌症の末梢気道を中心した分子基盤解明 |
|---|---|
| 年度/助成プログラム | 2023年度 医学系研究助成(感染領域) |
| 所属 | 北里大学 薬学部臨床医学(生体制御学)(研究所病院呼吸器内科医兼務) |
| 氏名 | 朝倉 崇徳 |
| キーワード | 肺非結核性抗酸菌症 / 気管支拡張症 / 初代ヒト気道上皮細胞 / 肺M.avium complex症 / 立位CT解析 |
| 研究結果概要 | 肺非結核性抗酸菌(肺NTM)症は、治療に長期間を要し、抗菌薬だけでは十分な効果が得られないことも多い難治性呼吸器疾患です。本研究では、病変の主座である末梢気道に着目し、患者由来の肺組織、喀痰、気道上皮細胞を用いて、空間解析、単一細胞解析、培養実験、CT画像解析を組み合わせ、病態を多面的に検討しました。その結果、末梢気道では粘液成分MUC5Bの過剰産生、IL-1を中心とする炎症反応、線毛細胞の減少、低酸素応答などが同時に生じ、粘液の排出機能が低下していることが明らかになりました。また、NTMに感染した上皮細胞だけでは粘液産生は大きく増えず、感染に応答したマクロファージなどの免疫細胞が放出する因子を介してMUC5B産生が促進される可能性を示しました。さらに、CT解析により、病変が従来の認識より末梢の気道に集中し、立位CTが病変検出に有用であることを示しました。これらの成果はAJRCCM 2024などで公表され、粘液過剰、炎症、上皮障害の悪循環を断つ宿主側治療の開発につながる知見となりました。今後は、IL-1経路の阻害による粘液産生と菌制御への影響も検証し、新たな治療法の実用化を目指します。 |
| 公表論文 |
1. Proximal and Distal Bronchioles Contribute to the Pathogenesis of Non–Cystic Fibrosis Bronchiectasis, American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine. 2024;209(4):374–389. doi:10.1164/rccm.202306-1093OC. 2. Quantitative airway evaluation using supine and upright computed tomography in patients with non-cystic fibrosis bronchiectasis and nontuberculous mycobacterial pulmonary disease. European Journal of Radiology. 2026;195:112626. doi:10.1016/j.ejrad.2025.112626. Epub 2025 Dec 30. 3. Erythromycin Shortage in an NTM-Endemic Country: Implications for Bronchiectasis Care and Antimicrobial Stewardship. Respirology. 2026;31(2):132–134. doi:10.1002/resp.70189. |
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