研究助成

2023年度 中学校理科教育振興助成

古代製鉄方法を学校現場等の学習に取り入れる取り組み

研究題目 古代製鉄方法を学校現場等の学習に取り入れる取り組み
年度/助成プログラム 2023年度 中学校理科教育振興助成
所属 宮城県多賀城市教育委員会
氏名 春原 実
キーワード 古代製鉄法の復元 / 砂鉄 / たたら製鉄 / 還元
研究結果概要 本研究では、地区の特別史跡である柏木遺跡において古代に行われていた、たたら製鉄について、その原料の入手や立地条件、製鉄所設置の目的などの地理・歴史的な探究課題と理科の小単元の中で扱われる「金属」や「火成岩」「堆積岩」「風化」、さらに「酸化」「還元」等の内容に関わる科学的な探究課題からなる合科的かつ探究的な教材開発の提案と学校現場でその教材を実施する時に「いつでも、どこでも、だれも」が、多くの制約なくある程度の量の製鉄実験を行うことができる簡易縦型炉の開発を目標とした。
3日間の公民館における青少年事業において、探究的な教材使用した事業を実施し、参加者からは、全員古代に製鉄を行っていたことに驚くとともに、砂鉄の生成過程や還元についての理解についても肯定的な評価が寄せられた。
その後、簡易縦型炉作成の試行錯誤を繰り返し、予熱解体を除くと2時間ほどで製鉄が可能になる三段のパーツを組み立てる方式の縦型炉の開発に成功した。この道具を使用すれば、学校や社会教育の場においてたたら製鉄の原理について実験を行うハードルはたいへん低くなると考える。
公表論文